かとじゅんの技術日誌

技術の話をするところ

新しい動画時代の幕開け

最近,ニュースの特集などでテレビ離れという話題に触れることが多くなりました.
テレビは長年メディアの王様でしたが,,,これが揺らぎつつあります.

広告費の変化

日本国内の広告費の推移ですが,

2007年の国内インターネット広告費は、新聞広告の2/3、テレビ広告の1/3の規模にまで成長

電通統計によると2010年にはネットが新聞を抜くという見方がでてきています.テレビの牙城は崩れないと思っていましたが,このグラフからするとそうでもないようです.徐々に下降トレンドに入っています.

テレビ離れに関するデータ

テレビを見る時間は減った!? 1年前から「減った」が「増えた」を上回る

こちらのサイトでもCNETのデータに対するエントリがあったのでリンク.
テレビの視聴時間が減ったというのは,言わずもがなでYouTubeなどの動画共有サイトの台頭ですね.
これは日本だけではなく,世界のテレビ局で問題になっているようです.

メディアの民主化

今更ですが,YouTubeを代表する動画共有サイトが面白い理由ってなんでしょうか?
やっぱり,好きな動画を見れるってことかな.コンテンツの質や信頼性が高くても,必ずしも好きな動画であるとは限らない.好きな動画を見るというのが最大のモチベーションと思ったりします.今は安価に動画を作成できる時代,それこそアマチュアが作った秀逸な動画コンテンツに何十万,何百万のアテンションが集まっていてます.

たとえば,これ.20万回再生されているようですが,ネタであっても大変だったけどハッピーエンドでよかったねぇってなんとなく感動してしまう自分がいたりします.ノンフィクションかフィクションかもうあまり関係ないですね.楽しめるかどうかですね.(サムネイルがすごいのですが,内容とあまり関係有りません)


ブログと同様,メディアとして情報を発する権威というのが,既得権益に胡坐をかいている一部の権力者たちから,画一的ではなく多様なエンターテイメントを作り出せる民衆に移りつつあるのではないかと思います.テレビ局から提供されるコンテンツは,なるべく中立的な立場で偏らない姿勢で作成されてあり,一方的な放送です.しかし,インターネットが普及し情報が日々あふれていく時代においては,自分にとっての選択肢が多くて当たり前,つまり迷うわけですが,逆説的にいえば「選択できる自由」をみんなが手にしていて,決してマスにはなりえない「個」としての自分を投影できるコンテンツを動画共有サイトでは見つけることができるのだと思います.それはとても面白いことではないでしょうか?それを若年層のユーザは潜在的に理解して使っているのだと思います.

そのような状況下において,テレビという画一的なフィルターを通したコンテンツは必然的に利用者の「選択」から外れてしまう.だから,見る時間が減るってロジックになる.テレビだけではなくマスメディアの宿命でもあると思います.旧来のように動画を見せられる時代は終わって,自分の見たい動画を選ぶ時代になった言えるでしょう.

たぶん,ここ数年の間に,このように「個」に帰結していくメディアの民主化の波は広まっていき,メディアとしての新しいビジネスモデルの転換や創造ということも求められていくでしょう.