読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かとじゅんの技術日誌

技術の話をするところ

同僚や上司、顧客から、納得を得るために必要なこと 〜帰納法〜

前回に引き続き、ロジカルシンキングの話題を。今回は、論理のピラミッドを建造するための、もう一つの形式である帰納法について触れたい。

帰納法とは?

帰納法の場合は、個々の事実から因果関係を推論し、結論を導き出すアプローチだ。これも推論の一種だ。

個々の特殊な事実や命題の集まりからそこに共通する性質や関係を取り出し、一般的な命題や法則を導き出すこと

帰納(きのう、Induction)法とは、個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする推論方法のこと。

早速、事例を紹介しよう。
たとえば、以下の事例。

前提(事例):「人間Aは死ぬ」「人間Bは死ぬ」「人間Cは死ぬ」
因果関係:「人間だから死んだ」
結論:ゆえに、「人間は死ぬ」

前提には、人間A、人間B、人間Cが死ぬという事例があげられている。この前提から、「人間だから死んだ」という因果関係を推測して、「人間は死ぬ」という結論を推測している。(因果関係は結論とほぼ同じ表現になるので以後省略する)
演繹法とは違って、結論の確からしさは、前提の数の多さに比例してしまう。「確証性の原理」といわれるものだ。この程度の、事例の数だと信憑性が乏しいと思われても仕方がない。
また、事例の数が多くても、後に1つでも違う事例が発見されてしまうと結論は覆されてしまう。これが演繹法の特徴だ。

演繹においては前提が真であれば結論も必然的に真であるが、帰納においては前提が真であるからと いって結論が真であることは保証されない。

帰納法では前提となる事実が真実であっても結論が保証されないという点に注意が必要だ。
このように結論が保証できない論理形式が何に使えるかというと。ずばり、研究開発の用途だ。未知への探求である研究開発では仮説思考が非常に重要になってくる。

しかし、その現象に関する理論が存在しない、或いは確実でない場合、演繹は成立しない。そのような場合でも帰納は成立するので、帰納は新しい分野を開発し、新しい理論を模索する場では先ず仮説を立てるための方法として極めて重要である。自然科学では観察や実験が重視され、そこからさまざまな仮説が作られ、それがその分野の進歩の基礎となるが、そこから得られる判断は常に帰納的である。

さて問題。

前提(事例):
「A社は年功序列制を廃止して活気が戻った」
「B社は年功序列制を廃止して業績が上向いた」
「C社は年功序列制を廃止して学生の評価が上がった」
結論:ゆえに、「年功序列の廃止がさまざまなところで成果を挙げつつある」

答えはこちら。

帰納的論理展開〜その1
・観察結果1 「A社は年功序列制を廃止して活気が戻った」
・観察結果2 「B社は年功序列制を廃止して業績が上向いた」
・観察結果3 「C社は年功序列制を廃止して学生の評価が上がった」
    ↓   帰納的論理展開
☆結論⇒一般論
 「年功序列の廃止がさまざまなところで成果を挙げつつある」

帰納法は演繹法より取っ付き易いのではないかと個人的に思う。

演繹と帰納の組み合わせ

論理展開は、演繹と帰納の二つの論理形式を単独もしくは組み合わせて行い、その結論は複数の論拠によって支えられるピラミッド構造(ピラミッドストラクチャ)になる。
事例はこちら。

大前提:人間(M)は、みんな死ぬ(P)。
-人間Aは死んだ。
-人間Bは死んだ。
-人間Cは死んだ。
小前提:部下の岩間(S)は、人間(M)だ。
-部下の岩間は、人間のDNAを持っている。
-部下の岩間は、人間の言葉を使っている。
-部下の岩間は、二足歩行ができる。
-部下の岩間は、人間の彼女がいる。
結論:ゆえに、部下の岩間(S)は、死ぬ(P)。

マイナス記号の部分が帰納、それ以外が演繹。

このように帰納法と演繹法を組み合わせることで、より強固な論理のピラミッドを構築することができる。というわけで、部下の岩間さんは死んでしまうのかw