かとじゅんの技術日誌

技術の話をするところ

そろそろ「好きだからできるんですよね」について一言いっておくか

最近、というか前から「かとうさんって、ITが好きだからそこまで こだわってやれるんですよねー」といわれる。
洋書とか読んでると、「なんでそんなにがんばれるんですか」ってね。

そのことについて、そろそろ ガツンと言っておきますか。

ITは確かに夢もあって好きだが、仕事となると好きだけでは超えられない壁があると思う。それは、市場(顧客)から対価を得ることができるかということだ。技術者なら自分の持っている技術で市場に貢献して対価を得るということになる。つまり、売れる自分でないといけない。そうじゃないとお給料をもらってはならんと思っている。(当然、新人とか新しい仕事であれば見習いというので、ある意味市場から投資を受けている状態ですが、最終的には市場にお返しできなければならない)
これはIT技術者だからというより、社会人としては当然のように意識すべきこと。自分がどういう風に成り立っているか足下もみないで好き勝手言えるのは親のスネをかじっていた学生のころまで。いや、学生でもそういう社会的な意識を持っている人は少なくない。

業界経験が長い自分だが、この先どのようなエンジニアを目指していくか考える機会が多い。未来が見えれば楽でよいが、見えない分自分で努力して、その不安を取り除いていく。これから求められそうな技術を自分で考えて、自分の余白に埋めていく。そうすれば、市場の要求にも柔軟に対応できる自分になれると思う。その余白には限りがあるし、人それぞれ向き不向きもある。自分に合ったものを取り入れていけばいい。

物作りって本質を理解して身につけていくことは簡単なことではないと思う。板前さんが包丁を握れるようになるまで大変な苦労があるように。でも、IT系だと「3日でできる○○」みたいな本が多い。間口が広いのはいいことです。それは否定しません。というか、そうあるべき。
でも、一方で、仕事として対価を得るには、努力して実力を身につけないと難しいでしょう。寿司屋のお弟子さんたちは、本当に必死に修行して、一人前に包丁を握れるようになることを目指しているように。今のIT環境はこのような厳しい現場ではないと思うが、ITでも理屈は同じでしょう。

ITに対して興味が沸く沸かないより、未来の自分のことを考えて、積極的に板前さんのように修行しなければならないというのが、自分の考え。だから、自分からすると勉強しないというのがどうも意味がわからない。楽して身につくことは何一つない。競合となる技術者も国内外にいるんだからさ。危機感持たないといけいないと思う。。(サーセン、最近過激なこと書いてます)

「勉強したいんですが、仕事が毎日終電なんで、土日もずっと寝ているのでプライベートでは何もできません」って話もある。それは気持ち的にはよくわかる
でもね。逆説的だが、その意志がすでに不可能にしていると思う。戦う前から負けている気がするんだよ。

勉強の時間なんてのも、隙間時間でやればいい。ちなみに、隙間時間のない人なんていないと思っている。自分のうちのトイレには小説とか、子育て本とかあります。大中に1ページ読めるじゃん的なw。勉強なんてのは時間の問題ではない。

「集中力が続かなくて身に入りません」という話もあった。集中力を得るなら習慣化できるかどうかだ。茶道には所作というのがあって、まず体から入って脳を集中させることができるというのがある。所作っていつも同じように繰り返すことから始まるんですよ。毎回違ったようにしていては余計な脳力が必要になってしまう。だから、形から入って習慣化すれば自然と集中できるようになる。自分はそうしてます。

話を元に戻すが、自分を取り巻く環境がどんなに不利でも、最初に自分はやると決めることで、何もかも変えることができる。環境がそろってからでないとできないだと、流れのままで一生できないかもしれない。つまり、現実を動かしていくことは不可能。「そんなこと言っても現実的には無理」とか思っているなら、そういう自分の心と向き合って戦うべきだと思う。道を究めるというのは自分との戦い。楽したいという気持ちは誰でもありますから。
でも、前向きに意志決定したなら、周囲に自分はどういう技術者を目指すか言い切る、夢を語る、つまり言動に出す。そして実際に勉強したり仕事に活かしたりと実際の行動に移す。まぁ、いうのは簡単だ。三日坊主で終わる可能性もあるだろう。でも、やらないよりやったほうが進歩がある。そう考えるべき。悲観的になってはいけない。だから、大事なことは最初に決めること。

あとは勉強会とかでるといいよ。仲間がいるほうが触発になってやる気もでる。幸いなことに私にはid:daisuke-mとかid:happy_ryoが怠けていると「ブログ、放置とかないわー」って激しい突っ込みをしてくるので。あー、よかったよかったw

ということで、ITを好きな自分でも、こればっかりは(仕事としていくならば)意識していかないといけない。
断じて好きだからできるという訳ではない。